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なぜ中学入試?
公立中高一貫校が大きな話題を呼んでいます。 現在設置されている中高一貫教育校は、以下の三つのタイプがあります。 (a)中等教育学校 現在の高校に中等教育学校を設置し、一つの学校として、中学教育課程を前期課程とし、高校教育課程を後期課程とする中高を一体化させたタイプ。 (b)併設型中学・高等学校 高校敷地内に新しく附属中学校を併設し、同じ設置者によって中学校と高等学校を接続するタイプ。 (c)連携型中学・高等学校 市町村立中学校と都道府県立高等学校という、異なる設置者が、教育課程や教員・生徒間交流などの連携を深め中高を連続したカリキュラムで結ぶタイプ。 国立・私立の中学校と同じような感覚で進学するのは、(a)の中等教育学校です。しかも、中高一貫校は当初田舎優先で設置されてきたため、西京・洛北などの志願者の多い都会校は、全国で初のケースともいえます。(b)(c)は全く関係ありません。 中等教育学校の具体的な中味について見てみましょう。 (1)学力テストはない 学校教育法規則で、公立中入試で学力テストを原則として禁じています。 そこで、選抜方法として、『作文・製作と小学校の報告書』+抽選となっています。現場としては、できるだけ学力差が大きくならないようにしたいところでしょう。 今のところ、小学校入試の『IQテストの類似品』や、意図不明の問題に終始しています。「小学校の日ごろの学習の力を見る」ようなテスト内容ではフェアな選抜は行えません。 しかしながら、この学校教育法規則にも裏技が存在し、当該教育長が「学力検査ではない」と認定すれば、文部科学省はそれ以上何も介入しないそうで、先鋭的な自治体は『学力テスト』を課すことになりそうです。 (2)縦割り行政の弊害 今のところ公立中高一貫校では中学校教諭と高等学校教諭が混在します。 保護者の側から見ると私立の一貫校のように中高持ち上がりとか、中3になると高校教員が担当してくれるのが当たり前と思うのですが、中学校教諭と高等学校教諭との基本給には差があり、高校教員が中3以下の授業を担当することを嫌がります。公務員というのは、ややこしいもので、同一校の職員の中にまだベルリンの壁が存在します。 これまでも、大学合格実績をそれなりに気にしてきた高校教員グループは、公立中高一貫校の設立意義の本音の部分、つまり、大学合格実績を大いに気にします。一方、指導要綱改訂毎に、指導に手間のかかる分野を高校へ先送りしてきた中学教員グループは、公立中高一貫校の設立意義の建前の部分、すなわち「特色ある教育」とかを最優先させようとします。 しっかり、両者をまとめてコーディネートする管理者がいないと、学校自体が迷走してしまいます。 (3)カリキュラムが重要 私立の大多数の六年一貫校が採用し実績を出している『5年間で中高6年分の内容を履修する』カリキュラムを、同じように採用していなければ意味がありません。このカリキュラムに準じたZ会などの模擬テストも存在し、多くの私学が参加し、データ数も多く客観性があり正確です。 公立中高一貫校の設立意義の建前の部分、すなわち「特色ある教育」とかを最優先させるあまり、独自のカリキュラムを主張する学校も多いようですが、それでは生徒は実験台で、うまくいくかどうかは、結果が出てからでないとわかりません。「失敗でした」で迷惑を被るのは、あなたのお子さんです。また、独自カリキュラムの場合でも、そういう実験校だけが行う模擬テストが存在します。説明会で、自校の生徒のこのテストでの偏差値を自慢するケースさえありますが、全く無意味です。特殊な少数の学校の参加しかなく、データとして正確性客観性が全くありません。 (4)公立中高一貫校受験のための勉強で学力は付かない 現在の『作文・製作』を試験にしている限り、『慣れ』を養うだけで、本来の学力を付ける勉強とは全く異なる、『訓練』をしているに過ぎません。 (5)結論 将来選抜方法の変更、カリキュラムの確立があれば、別ですが、現状では、わざわざ公立一貫校を選択した場合の利点が見いだせません。 逆に、大した勉強をしたわけでもないのに、公立中高一貫校に合格すると、親子して『勘違い』して、失笑を買うケースの方が多そうです。 おそらく、保護者がイメージする公立中高一貫校は、実は京都教育大附属桃山中学校や大阪教育大附属天王寺中学校ではないのかと思います。
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